業務改革リーダーの心得

オフィスの現場で業務改革に取り組むリーダー達へ、壁を乗り越えてゆくためのノウハウや心得をお伝えします。

どうしても受け容れられない相手にどう向き合うべきか

今日は少し軽くて、役立つノウハウの話をしたい。

 

業務改革を完遂するには、多くの関係者を説得しなければならない。特に、改革の対象となる業務の担当者を説得するのは、骨が折れる仕事である。その他にも、無責任に口ばかり出してくるシニアや、横柄で杓子定規な回答しかしてくれない本社スタッフなど、苦労の種は絶えない。

 

業務改革リーダーにはときに、組織内での不合理な人付き合いを濃縮したような環境の中で仕事を進めることが求められる。これは、業務というもの自体が、組織の中ではどちらかというと陽の当たらない位置にあり、組織の澱ともいうべき歪みが溜まっていることが多いからである。

 

そうした人々とのやり取りの中で、ときにその頑なさに、保守性に、あるいは傲慢さに、思わず感情を昂らせてしまうこともあるだろう。しかし、以前このブログでも述べたように、業務改革リーダーは決して誰かと敵対してはならない。一度でも感情に任せて怒りをぶつけてしまうと、そのマイナスは計り知れない。記憶は人々の間に刻印され、拭い去ることは極めて困難である。

 

業務改革リーダーのミッションは業務改革の改革。前にすすむしかない以上、逃げ場はない。しかし、我慢し続けていれば、やがて胃潰瘍になってしまうだろう。感情は溜め込めば、現実の不合理を超えて、自己増幅してゆくからである。

 

そこで今回の本題である。どうすれば、こうした感情をコントロールし、心身の健全を保っていけるだろうか。ここでは一つだけすぐに役立つ秘訣を伝授したい。

 

感情を抑え込めば自分の心が害される。しかし、それを人にぶつければ周りの人々ひいては自分自身をも害してしまう。だとすれば、どうすればよいか。答えは一つである。感情を別のものにぶつけるのである。

 

結論を言おう。自分の思いのままを、自分だけのノートか端末機器の上に、文字にして全部吐き出してみよう。自分の気持ちを偽らず、思いつくまま罵詈雑言を書き連ねるのである。どんな汚い言葉、下品な言葉でもよい。思い浮かんだままを遠慮なく、容赦なく、残さず書き出すのである。

 

私も本当に許せない相手がいたとき、何度かこれをやっている。私の場合はiPadのメモ帳の上だ。するとどうだろう。たちまちのうちに、自分の中の感情の炎が沈静化していくのが実感できる。数日間これを続ければ、すっかり自分を取り戻してしまうのである。そして、自分が冷静になれば、不思議なことだが、相手との現実の関係性すらも、冷静に処理できるようになるのである。

 

私はこれを感情吐露カウンセリングと名付けたい。

一つだけコツがある。同じこセリフは繰り返さない方がいい。ときどき、このセリフはもう書いたかなと振り返ってみる。自分自身の感情がどれだけループしているかが分かり、思わず苦笑してしまうだろう。

 

どうしても許せない相手に遭遇したら「感情吐露カウンセリング」を発動せよ。

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