業務改革リーダーの心得

オフィスの現場で業務改革に取り組むリーダー達へ、壁を乗り越えてゆくためのノウハウや心得をお伝えします。

業務改革に無理解な上長とどう向き合うか

業務改革リーダーの仕事にストレスはつきものである。
典型的なストレス要因としては、以下のようなものがある。

 

  • 仕事の本当の難しさを、同僚や上司の多くが理解してくれない。(→悪意はなく、単純に難しすぎて分からないのだ)
  • 反対者はそれこそ容赦なく反対してくる。(→反対者は、己の名声のために侵入してきた悪者(改革リーダー)と戦うのが正義だと思っている)
  • 今まで協力的だった業務担当者が、いざ実行の直前になったところで、掌を返したように、些細な理由で難色を示し始める。(→これも悪意はない。あるとき突然、改革は自分自身に不利益が及ぶことに気づいてしまったのだ)
  • 困難を乗り切って改革に成功したのに、上層部に正当に理解してもらえない。(→直接の上司は近くで苦労を目にしているが、上層部がその苦労を理解するのは至難の業である。)
  • 取り組みが頓挫すれば責任を問われ、成功すれば手柄を上司に奪われる(こともある)。(→タチの悪いマネージャーは世の中に溢れている)

 

上記の多くは、業務改革に限らず、課題解決に取り組む他の領域のリーダーにもある程度、共通する悩みである。辛いものだが、知恵を絞り、粘り強く乗り切っていくしかない。

 

しかし、知恵と忍耐だけでは済まない場合もある。決してやってはいけないのは、無理解な上長の下で、強引に業務改革を進めることである。こうした上長は、改革にコミットしないがゆえに、実に安易に取組みの内容を否定し、軌道変更しようとする。それに付き合い続けていると、関係者を説得する前に、上長を説得するだけでリーダーは消耗しきってしまう。

 

こうした状況を打開するには、上長の上長を味方に取り込むしかない。そして、組織命令として取り組む形を整えるのである。そうすれば直接の上長にも、改革の成功への責任の一端を負わせることができる。そうした形が取れないのであれば、、、折に触れて問題提起は続けつつ、改革の切り札となる解決策は潰されないよう大事に手元に残しておき、時機を待とう。

 

待っていればいつか風は吹く。風が吹いたときに、すぐさま飛び乗れるよう武器を磨いておくのだ。

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