問題の根っこにあるルールを見直す方法
業務の課題の根っこには大抵ルールの制約がある。そのルールに歪な部分があったとしても、それが正されずに放置されてきたことには、必ずそれ相応の事情がある。過去何十年もの間、先達の方々が変えられなかったのだから、それを変革するのは、そんなに生易しいことではない。
しかし、そうした問題を放置したまま業務を効率化しようとすると、複雑な迂回措置が必要になり、業務プロセスは複雑を極めていってしまう。さらに、その仕組みをルール化・システム化すると、今度は別のルール体系ができてしまい、ますます手に負えなくなっていく。
この悪循環を断ち切るためには、結局のところ、根本原因であるルールの見直しに立ち返らざるを得ない。しかし、何も起きていない状態で、現場リーダーが問題提起をしたとしても、成功は覚束ない。ではどうすればよいのか。プロジェクトを離陸させるには、外からの"風"がいるのだ。
その"風"は、トップダウンの事業方針だったり、予期せぬトラブルだったり、関連領域での業務・システムの見直しだったりする。事前に予測することは難しい。しかし、そうした予期せぬ風が吹いた瞬間、そこに飛び乗るのである。スピードが命運を決する。
では、どうすれば風が吹いた瞬間にそこに飛び乗り、舞い上がることができるのか。そこで必要とされるのは、事前の周到な検討・準備に他ならない。風邪が吹いていない段階で、
・どこに本質的な問題があるのか
・それがどのようなマイナスをもたらしているのか
・問題解決するためには何を改革しなければならないのか
・改革の結果、どのようなプラス・マイナスの影響があるのか、
を徹底的に詰めておくのである。実際に風が吹き始めてから準備したのでは遅い。
業務改革リーダーには、こうした課題と課題解決のアイデアをいくつも手元に持ちながら、風に乗るタイミングをじっと待つことが求められるのである。逆に、こうした準備があれば、現場リーダーには、他の人には見えない空気の動きも見えてくるのである。
大きな問題を解決したければ、磨き上げた解決策を手に、じっと待て。
風が吹いた瞬間、そこに飛び乗り、一気に解決に向けたプロジェクトを離陸させよ。
by JKE