ルール・慣習の壁を突破する方法
長年の風雪に耐えた大きな組織には、ルールや慣例が地層のように積み重なっており、ある業務領域に何らかの弊害が起きたとしても、容易に改善できないのが常である。
トップダウンで変えようとしても、それぞれのルールに経営レベルで意思決定された重みがあるので、生半可なことでは手をつけられない。また、そうした業務領域には、必ずといっていいほど、長年それらの"お守り"をさせられてきた番人のような社員が張り付いている。
改善しようとすれば、これら番人の中に蓄積された知識や情報を引き出すことが不可欠となるのだが、実際に手をつけようとすると、なぜ今までそれを変えられなかったのか、を理路整然と解説してくるのが常である。
これは当然の反応である。もし簡単に変えられてしまったら、今まで頑なに変えなかった責任を問われるからである。このため、番人たちは、これを変えようとすれば、ルール全体を見直さなければならない、という崇高な問題へと昇華させていくのである。なにせ四六時中そのことを考えているわけだから抜かりはない、
こうした状況に直面したときは、間違ってもルール全体の見直しなどといった悠長な話に付き合ってはならない。また番人を説得しようとしてはならない。同じ土俵に乗ってはならない。
本当に実現したいこと一点に目的を絞り、それを「最短距離」で実現するために、「最低限」何をしなければならないかだけを特定し、所属組織の長の承認を得てトップダウンで決めてしまうのである。大抵はルールの変更など必要なく、解釈運用の変更だけで突破できてしまう。
番人の反論を封じるには、番人と同レベル以上の業務知識が必要になる。このための知識は番人に教えを乞うて引き出そう。一から調べたら把握するのに何週間もかかる知識も、番人の直伝があれば、数十分で把握できる。
また、すべてのルールを変えようとすれば、何年もかかってもできるか知れないが、「一点」であればそう時間はかからない。
ルールの番人の知識を借りて武器を磨き、狙いを定めて一点突破で壁を突き破ろう。
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